最近、洋楽の和訳が多かったですが…
今日はこんな感じで。
戦前からブロードウェイのミュージカル映画で活躍しつづけていた、
名脇役、ドナルド・オコーナー(ドナルド・オコナー)についてです。
というのも、映画「雨に唄えば」を久しぶりに見ていたら…
ドナルド・オコーナーの演技にわくわくしていたから。
そういや、はじめて見たときも目が離せなかった。正直、主役のジーン・ケリーよりも「素敵!」ってなったんです。
特段イケメンではないんですが…見ていて楽しい。
日本語で彼の魅力についてまとめているページが少ないなと思って。
これを機に、私が夢中になったドナルド・オコーナーの魅力をまとめてみます。
Contents
ドナルド・オコーナーの300文字プロフィール
ドナルド・オコーナー(1925~2003)

アメリカの映画俳優・コメディアン・司会者・監督・プロデューサー…
ヴォードヴィリアン一家「オコーナー・ファミリー」の7番目の子として誕生。舞台経験を積み、11歳で映画デビュー。パラマウント社と契約後、一時はヴォードヴィルに戻るも、1942年よりユニバーサル社の俳優。以後「雨に唄えば」をはじめ、コミカルで軽やかな演技とダンスで名脇役に。1940年代後半からテレビ出演も開始。ミュージカル映画が下火になるにつれ、活躍をテレビの場にうつす。第52回アカデミー賞(1982年)では54歳ながら、若いダンサーとともに歌い踊る姿が話題に。晩年まで、映画・テレビ出演を続けた。遺作は「カリブは最高!」
これ、やばくない?54歳ですって彼…
この年になってもこれだけ踊れるなんて、ダンスへの情熱がすごい人なんだと思います。
それでは、魅力について語っていきます!
ヴォードヴィル出身のマルチプレイヤー

私がまず気になったのは、そのマルチプレイヤーぶり。
「雨に唄えば」では、歌ったりダンスしたり演技したりはもちろん、ピアノやバイオリンを弾きながら歌う姿もみられます。どれもめっちゃうまいんです。
それもそのはず、ドナルド・オコーナーはヴォードヴィル出身。
家族全員がヴォードヴィリアン(ヴォードヴィル俳優)という一家に生まれています。
アメリカでは、ヴォードヴィル(劇場)で実力を積んでミュージカル映画デビュー、という俳優が少なくありません。フレッド・アステアもそうですよね。
ヴォードヴィルの舞台では歌・ダンス・演技どれも必要。
演技はコミカルでアドリブもばんばん飛んでいたのではないでしょうか。
さらに、幼いころからヴォードヴィリアンとして活躍できるよう、両親や年長の兄弟たちから必要なスキルを教え込まれていました。家業ですからね。
そういった経験がミュージカル映画にも活きていたのではないでしょうか。
ジーン・ケリーより記憶に残る名脇役

彼が日本人にも知られているのは「雨に唄えば」があったからでは。
主演はジーン・ケリーが演じるドンでしたが、物語に欠かせない相棒・コズモ役を演じました。
コズモはドンの幼なじみで、子どものころから売れないヴォードヴィリアンとして劇場を転々とし、苦労を分かち合った相棒。現在はドンが映画スターでい続けるために必要な存在です。
当然、小さいころから舞台に立っている役柄なので、歌・ダンス・演技の実力が問われるシーンの連続です。ピアノを弾きながら歌うのは当たり前、バイオリンを弾きながらのタップダンスも。
ドンにはロマンチックなシーンがありますが、コズモはコミカルな演技に振り切っています。
トーキーの波が押し寄せるハリウッドで、皮肉を言いながらも明るくドンを励ましています。
楽天家のように見えて、意外と賢くて頭の回転が速そうです。
この作品でジーン・ケリーが雨の中で歌い踊るシーンは言わずと知れていますが、同時にドナルド・オコーナーも多くの映画ファンのなかで記憶に残っているのではないでしょうか。
みんなを笑顔にする、コミカルさとアクロバティックさ
私が目を離せなくなった、コミカルさ。
「雨に唄えば」で彼の演技を見ると、落ち込んでいても笑顔になっちゃう。
ドナルド・オコーナーが魅力を最大限に発揮したのが、この「Make ‘Em Laugh」。この映画のための新曲です。
ピアノの前に座るまえのセリフの言い回し、しぐさからおもしろい。
「大きな人、小さな人…」というセリフにあわせて首をのばしたりちぢめたり。茶目っ気たっぷりに披露しています。と思ったらピアノに飛び乗り、なんという軽い身のこなしでしょう。
次にはもうピアノを弾かず、スタジオの裏をめいっぱい使ってはねて踊って転げて歌って…
このシーン、すごくわくわくします。

すると「ぶつかって鼻が曲がっちゃったよ」というシーン。曲がった鼻を直そうと、顔を手でたたくたびに百面相。

ソファにすわってマネキンを使った演技にも注目です。最終的にはソファから転げ落ちて大爆笑。もうコミカルを通り越してアクロバティックやってるようなものでは。
惜しげもなく、コミカルさを爆発させています。全力で笑いながら。
ラストは壁を蹴って一回転…さらに一回転。そして壁を突き破って…
ジーン・ケリーの期待どおり、いや度肝をぬくような演技でした。まさに笑顔のために踊る、この曲にふさわしい役者だと思います。
「雨に唄えば」キャスティング秘話。
ドナルド・オコーナーがキャスティングされた経緯については

このページが詳しいですが。もともとドナルド・オコーナーは主演メンバーの4人に入っていないかったそうです。
軽やかなステップとコミカルな演技ができる役者を、と考えたジーン・ケリーが推したのがドナルド・オコーナー。
ジーンの配役は間違っていませんでしたね。軽やかなタップダンスを踊るシーンを見れば一目瞭然。
それまでアイドル的な人気だったのが、一躍歌・ダンス・演技をこなせる人気俳優へと成長する作品になりました。
活躍の場はテレビ・現代映画へ

「雨に唄えば」公開の前から、アメリカではテレビが普及し、ミュージカル映画の衰退が少しずつ見えてきました。
ドナルド・オコーナーは「雨に唄えば」公開前、1951年からテレビ番組「コルゲート・コメディー・アワー」のホストのひとりとして活躍。その後、1954年から1年間「ドナルド・オコーナー・ショー」という冠番組もつとめます。
ほかの俳優と同様に、活躍の場はミュージカル映画からテレビ番組へ。彼はコミカルな演技や表情が得意だったので、テレビのコメディやバラエティ番組でも活躍できたんだと思います。
1955年に出演した映画「海軍のフランシス」で、所属しつづけていたユニバーサル社との契約もひと区切り。そういった事情もあって、ミュージカル映画への出演は減っていきます。
年をとってからも、やはり脇役が多いですが映画やテレビへの出演は少しずつ続けていました。生まれながらにしてエンターテイナー、本当に歌やダンス、演技が好きだったんだなと思います。
「雨に唄えば」以外のドナルド・オコーナー出演作5選
ドナルド・オコーナーが活躍したのは「雨に唄えば」だけじゃない!ということで、個人的に記憶に残っているドナルド・オコーナー出演作を紹介します。
ボー・ジェスト/1939年
ミュージカル映画のイメージが強いドナルド・オコーナーですが、「ボー・ジェスト」は戦争映画。
これまで3回映画化された冒険小説が原作です。彼が演じたのは主人公、ボー・ジェストの12歳のときの様子。
ちなみに、ボー・ジェスト自身を演じたのはゲイリー・クーパーというんだから驚きです。ぜんぜん似てない…(笑)
まだ映画デビューしてから2~3年の作品だし、少しあどけなさが残っています。
アイ・ラブ・メルヴィン(I Love Melvin)/1953年
ドナルド・オコーナーの主演作。脇役が多いなかでめずらしい主演です。
この作品ではカメラアシスタントのメルヴィンを演じました。
しかもヒロインのダンサー役にデビー・レイノルズ。雨に唄えばで息の合った演技を見せたデビーと再共演した作品です。
日本では未公開です。日本語字幕や吹替で見ることはできません。輸入盤のDVDはありますが、全部英語なので見るの大変。
ダンサーのデビーと恋に落ちるドナルド・オコーナー、コミカルだけど最後はロマンチックに終わるはず。
残念。すごく見てみたい。
ショウほど素敵な商売はない/1954年
ドナルド・オコーナーが主演級の役を演じた作品。
彼の生い立ちと同じく、ヴォードヴィリアン一家5人が主人公です。ヴォードヴィリアンの歌・ダンス・演技が必要な役柄は、もう、彼のためといっても過言ではないと思います。
3兄弟のなかで最も大切な役柄、やんちゃで飲んだくれな次男ティムを演じました。やんちゃだけど、ヴォードヴィリアン一家のなかで自分のアイデンティティと向き合う演技は必見です。
そして相変わらずのコミカルぶり。ダンスや歌も健在です。
しかも、相手役はマリリン・モンロー!ティムが一目ぼれするのもわかります。
いまいちマリリン・モンローを活かしきれてない印象ですが…
トイズ/1992年
ドナルド・オコーナーが活躍の場をすっかりテレビ・現代映画に移してからの作品。主演はあのロビン・ウィリアムズです。
ドナルド・オコーナーが演じたのは、おもちゃ工場「ジポ・トイズ」を一代で築き上げた創業者。出演するのは冒頭の10分前後。軍国主義のもとにおもちゃ兵器を開発し進めていくという本編の前で、プラス思考で子どもたちのためにおもちゃ開発をしてきた意思が語られます。だけど、作品自体はちょっと不気味。
異世界で繰り広げられる作品にとって、大事な役だったのではないでしょうか。
番外編:ザッツ・エンターテインメント
ミュージカル・ドラマ映画ではないですが「ザッツ・エンターテインメント」も外せません。
往年のミュージカル作品を集めたアンソロジー映画です。シリーズをとおして、フレッド・アステアやイングリッド・バーグマン、ジーン・ケリーなど、そうそうたるスターが出演しました。
もう、ミュージカル映画好きならたまりません。素晴らしいミュージカル映画をいっきに振り返れます。
フランク・シナトラをはじめとする名俳優が、制作湯治を振り返りながらナレーションをつとめるのも魅力。
ドナルド・オコーナーは、パート3まで3作品ともに出演。「雨に唄えば」の名シーンがあちこちに使われました。
パート1ではジーン・ケリーとデビー・レイノルズとともに踊る冒頭場面と「Make ‘Em Laugh」が、
パート3ではジーン・ケリーとの「Fit as a Fiddle」が使われています。
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本ページの情報は2021年11月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
コメント
コール・ミー マダム という映画はドナルド・オコナー主演で、ダンスも楽しめるしお勧めですよ。